住宅リフォームやメンテナンスの必要性と適切な時期は?

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住宅を取得すると不可欠になるのが、適切な時期にメンテナンスやリフォームを行うことです。しかし、適切な時期に適切なメンテナンスやリフォームといわれても、一般の人には難しいかもしれません。ここでは、メンテナンス・リフォームの必要性や、経年によってメンテンナンス・リフォームが必要になる箇所や注意点などをご説明します。

メンテナンス・リフォームの必要性

全ての製品に耐用年数がありますが、住宅も同じです。木造住宅では22年、鉄筋住宅は47年、軽量鉄骨づくりの住宅は19年になっています。

耐用年数とは、減価償却資産が使用に耐える年数をいい、木造住宅の場合は約20年で建物自体の価値は、ほぼ0になるということです。

しかし、耐用年数イコール寿命ということではありません。建物の寿命は、適切な時期にメンテナンスやリフォームを実施することで、大幅に延ばすことができます。築100年以上の木造住宅が現存し、有効に活用されているのを見てもおわかりいただけることでしょう。

また、早めのメンテナンスを実施することが、費用や手間を抑えることにつながります。

※メンテナンスとは、破損や不具合が生じた箇所を必要最小限(現状を維持するため)に修繕することをいい、リフォームとは、破損や不具合な箇所のみならず、汚れや老朽化によって美観が損なわれた箇所を新築の状態に戻すこと(機能回復)をいいます。さらに、リノベーションでは、機能を回復させるだけでなく、新たな価値(間取りの変更など機能性を向上させる)を付加するための大掛かりな工事のことを指します。

築5年~10年目に必要なメンテナンスやリフォーム

新築から5年程度経過すると、建物は徐々に変貌していきます。鮮やかだった外観の色彩も土や埃で汚れ、直射日光によって塗装の塗膜に劣化が始まります。以下は築5年目に必要なメンテナンスと注意点です。

外回りの木部や鉄部の塗り替え

住宅で最も早く不具合が生じてくるのは、直射日光や風雨に晒される外回りの木部や鉄部です。木製の塀やウッドデッキ・濡れ縁など。また鉄製のベランダの手すりや外部階段などがこれに該当します。木製や鉄製は、本来水に弱いものですが、塗装によって塗膜で保護されています。しかし塗膜も経年により保護機能が低下するため、5年程度で塗り替えが必要になります。放置しておくと、木部の場合は塗膜がひび割れたり剥がれたりすることで、木の内部に水が浸入し腐食します。鉄部の場合は錆を発生させ、鉄の持つ強度が失われます。

水回り部品の劣化や湿気による床材やクロスの剥がれ

住宅の内部では毎日使用するキッチンやトイレ・風呂・洗面などの水回りが最も痛みやすくなります。給水栓のパッキンが摩耗することで水漏れが発生したり、シャワートイレが故障したり、湿気の多い箇所では床材やクロスが剥がれてくるなど、使用状況によっては数年で問題が発生することがあります。多くの場合は部品の交換や、床材や壁材の剥がれなども部分的なものならDIYが可能です。

シロアリ被害のチェック

シロアリにも要注意です。新築時に薬剤処理をしていても、効果は5年程度。5年以上経過したら、床下のシロアリチェックが必要です。シロアリの発生を放置しておくと、大切な建物の構造体を腐食させ、家が傾くなど倒壊の危険性が発生します。

築10年~15年目のメンテナンスやリフォーム

チョーキング

築10年が経過すると、さまざまな箇所で不具合が生じてきます。外壁や屋根の色あせや変色、カビやコケの発生、クラック(ひび割れ)、シーリングの劣化、防水層の割れなど。また、室内でも問題が発生します。以下は主なポイントです。

外壁・屋根のリフォーム

外壁や屋根の塗り替えが必要な時期になります。

塗り替え時期は、家の環境や塗られている塗料の性能によって異なりますが、一般的に建売住宅などは、性能の優れた塗料を使用していることは少ないため、10年ももたない可能性があります。外壁を手で触ってみて、白い粉のようなものが付着するように(チョーキング・白亜化現象ともいう)なったら、そろそろ塗り替えのサイン。保護している塗膜の機能が失われつつあるということです。放置しておくと雨漏りの原因になり、家の寿命を縮めることになります。

また、ベランダの防水層もチェックしておきましょう。一般的な防水層はFRPかウレタン防水になりますが、軽度のひび割れなら、トップコートの塗り替えだけですみます。酷いひび割れや浮き・めくれ・剥がれがある場合は、下地からの工事が必要です。これも放置しておくと、雨漏りの原因になってしまいます。

建具のメンテナンス

室内では、ドアや引き戸など建具の開閉に支障が生じます。蝶番が緩みドアの位置がずれたり、引き戸の戸車に埃の詰まりが原因で重くなったりします。開口部の部品の不具合は、DIYでも簡単にメンテナンスできます。

フローリングのメンテナンスや張り替え

フローリングの床は、歩行時にキシキシと軋む音が酷くなってきます。これはさまざまな原因がありますが、原因の特定は難しいため業者に相談することをおすすめします。フローリングの寿命は日常の手入れや住まいの環境によっても異なりますが、10年~20年程度といわれています。

設備機器の交換

10年が経過すると空調や給湯などの住宅設備機器がそろそろ寿命を迎えます。理由は、故障しても修理のための部品が入手できないためです。メーカーの部品の保有期間は製造が終了してから10年となっています。10年が経過してもまだまだ普通に稼働しているケースもありますが、設備機器の寿命の目安は10年程度と認識しておきましょう。

築20年以上のメンテナンスやリフォーム

renovation concept - room in old building during restoration

築20年以上経過すると、日頃の手入れやメンテナンスの有無で、見た目にも機能性にも著しい違いが生じてきます。新築と変わらない状態の建物もあれば、まだ築20年なのに劣化が激しいと感じる建物などさまざまです。

メンテナンスやリフォームを全くしなかった建物はそろそろ全面的にリフォームやリノベーションをする必要に迫られることでしょう。

一方、しっかりとメンテナンスをした建物は、まだまだ若さを保っています。以下は20年目以降に注意したいポイントです。

配管など目に見えない部分の劣化に注意

目に見えない部分である給排水管にも寿命があります。給水管の場合は、生活する人の体に直接影響するため寿命が短いとされており15年程度、排水管は20年程度といわれています。給水管は、水が濁ることがあれば要注意です。鋼管の表面が腐食して亜鉛メッキなどが溶け出すことによって蛇口から白く濁った水が出てきます。さらに腐食が進行すると、赤錆が混じります。こうなっては、もう安全な水ではありません。速やかに業者に相談しましょう。

バスやキッチンのリフォーム

近年はシステムバスやシステムキッチンが人気ですが、やはり20年程度が経過すると、不具合が生じてきます。システムバスの場合は、扉に最も早く不具合が生じます。扉だけを交換したいと思ってメーカーに問い合わせても、古いものなら同じ規格のものは在庫にないかもしれません。キッチンの場合、コンロやビルトイン食洗器・換気扇などの交換は可能ですが、扉の汚れや老朽化が目立ち、デザインの古さなども気になる頃です。使い続けられないことはありませんが、一般的には20年程度でキッチンやバスのリフォームをする人が多くなっています。

家族構成やライフスタイルの変化によるリフォーム・リノベーション

20年が経過すると、子供達の独立によって家族構成やライフスタイルに大きな変化が生じる時期でもあります。夫婦二人になって、より安全で快適に暮らすために、思い切ったリフォームやリノベーションを実施する方が多くなります。居室の数を減らしスペースを広くとる、段差をなくしバリアフリー化する、手すりを設置するなど。また、床暖房や断熱窓を採用し、機能性や快適性の向上を目的としたリフォーム・リノベーションも多く実施されています。

住宅を取得するには、土地代や建築費といったものだけでなく、ライフサイクルコストを考慮する必要があります。ライフサイクルコストとは、住宅を取得している間、かかることになる光熱費や固定資産税の他、メンテナンスやリフォームにかかる費用のことをいいます。マンションの場合は、管理費や修繕のための積立金を徴収されますが、戸建て住宅では自分自身が管理し、メンテナンスやリフォームの費用を捻出しなければなりません。そのためにも、住宅を取得したときから、メンテナンスやリフォームの計画や予算を立てておくことを、是非おすすめします。

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